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柚木麻子    「王妃の帰還」(実業乃日本社文庫)

主人公の範子は、私立の女子中学校に通う2年生。女子生徒というのは孤独が最も怖い。だから、何とか友人、あるいは友人のような子をみつけて、何人かのグループを作り、その集団にいることによって安心、安定を得る。だからクラスはいくつかのグループに分かれる。

 グループは範子が所属している地味グループをはじめ、ゴス軍団、ギャルズ、姫グループ、優等生に分かれている。

 そしてこのグループたちの頂点にたつのが、姫グループ。その姫グループの頂点が美貌でスタイル抜群の滝沢で王妃とよばれ、クラス全体を制圧している。

作者柚木はこの物語についてこう語っている。
「フランス革命から王政復古まで階級が次々ひっくり返ってゆく様子を頭にいれて書きました。範子のグループは革命のとき最も活躍する農民グループ。トップは滝沢さんが所属する姫グループ。女の子っぽいギャルズは、伯爵グループ。ロック好きなゴス軍団は、最も革命となると力をもっている商工層。優等生は聖職者で体制側。」

 フランス革命は何だったのだろう。

スクールカーストという言葉をよく聞く。しかしカーストというのは、生まれた出自で階級は固定されていて、そこから逸脱することはできない。

 確かにこの物語でも、所属するグループにより、クラスでの権限や行動、言動が制限されているように見える。

 しかし王妃滝沢が王妃の地位を追われ、地味グループに加わってから、グループは大きく揺れ動かされ、それにより、各グループから別のグループに移る生徒が発生し、個々のグループの力関係がダイナミックに変化する。

 集団は基盤としては残るが、それが常に変動する社会をもたらしたのがフランス革命。そして、そのことが民主化ということなのだ。

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| 古本読書日記 | 06:29 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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