fc2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

原田マハ    「フーテンのマハ」(集英社文庫)

旅をこよなく愛する原田。女性フーテンの寅さんを自任する原田の旅エッセイ。

殆どは、旅先での感動、素晴らしい情景を描いているのだが、餃子の章では、高知の屋台餃子「松ちゃん」の絶賛に続き、とんでもなくひどく不味い餃子を描いている。

 場所は仮名にしているが北関東の地方都市。これはだれがみても宇都宮とわかる。そこで最も有名な餃子店にゆくと長蛇の列。それで仕方なくそれよりは列が短い餃子店に並び餃子を30分待って食べる。これがとんでもなく不味い。生煮えの皮。ぬるい具。口いっぱい広がる化学調味料の味。とんでもない餃子とケチョン、ケチョン。さすがに店名までは書いていないが。教えてほしいと思う。

 原田マハは、美術館の設立や美術展の企画をするキュレーターとして、会社に属して活動していたが40歳に独立して、そこから、美術ライターとして雑誌などに、原稿を寄稿していた。

 転機は40代半ばに訪れた。ある出版社から沖縄在住で変わった女性がいる。彼女を取材してみないかという依頼。その女性は金城祐子さん。OLをしていたのだが、お酒がべらぽうに好きで、それが嵩じて沖縄で起業してラム酒製造会社の社長をしている。彼女のことは「風のマジム」という作品に結実している。その取材を終わって、民宿に泊まっているとおかみさんやだ旦那さんに、フェリーで離島の伊是名島に行き、漁師のカツオさんに会ってみたらと勧められる。

 そしてフェリーで伊是名島に行く。カツオさんは、ラブラドール連れて海辺を走る。口に大きなサンゴをくわえている。そのサンゴを海のなかに投げる。それをラブラドールが海にもぐりくわえて帰ってくる。それをまた投げる。くわえて帰ってくる。それを繰り返す。

 原田さんが「犬の名前はなって言うの。」と声をかける。
 「カフー」という。幸せ、よいしらせという意味だと返ってくる。

ここで原田はひらめく。カツオさんを取材して物語を書こうと。
それが処女作でラブストーリー大賞を受賞した「カフーを待ちわびて」だ。

 原田さんのこの旅。依頼した出版社は、旅費、宿泊費は自費にしてくださいということだった。ここで踏ん張って原田さんは素晴らしい作家になった。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 06:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT