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山田風太郎    「忍法双頭の鷲」(角川文庫)

徳川4代将軍家綱の死去に伴い、跡目争いが起こり、若年寄堀田筑前守が擁立する綱吉が5代将軍に就く。それに伴い、公儀隠密の要職にあった忍者集団伊賀組が解任され、その後を根来衆が就くことになった。

 この物語は、その根来忍者秦蓮四朗、吹矢城助を中心に時に根来忍者首領である根来狐雲、その娘お蛍(おけい)が、幕府の密命により不穏な動きのある大名領地に忍び込み、実情を調べ上げ幕府に報告する。その調査過程を短編にまとめあげ作品にしている。

 行く先々には、追放された伊賀忍者がいて、彼らとの戦いが物語の中心となる。
物語で使われる根来忍者の秘術が忍法泥象嵌。変装する体の型を泥でとり、そこに変装者がうつぶせ、あおむけ浸かり、変装すべき人間そのままに変わってしまう術。

 信州八万石筑摩藩。藩主が亡くなり跡目争いとなる。その筑摩藩で、藩主の次男松平綱康の夜の御伽を務める側女が、任を解かれると次々自害するという事件がおきる。この自害は何が原因か調査を根来衆に密命がくだる。

 ここからが、山田の破天荒な物語になるのだが、実は綱康には陰毛が全くない。しかも、綱康は人間には普通陰毛があることを知らない。

 それで、御伽をする女性は床入れする前に毎回陰毛を剃る。しかし、これが重なると剃ったあとがチクチクと痛い。そこに阿坂行太夫なる伊賀者がとりいり、特殊鉋を使い剃った陰毛は2度と生えてこないようにする。このため、側女を解かれた女性のなかで、人生を儚んで自害する者が続出していたのだ。

 この綱康が、夜を務める側女に何と孤雲の娘、お蛍を指示する。すでに、綱康は素っ裸で床に入っていてお蛍を呼んでいる。
 お蛍が覚悟を決めて、着物を脱ぐ。美しい乳房。見事なくびれが現れる。しかし、腰から下にたくさんの毛があり、そこから突起物がつきだしている。

 蓮四朗が忍法泥象嵌を使いお蛍に変装していたのである。

実に馬鹿らしいと思うのだが、そのあまりにも突き抜けた馬鹿らしさに、感動している自分がいる。

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| 古本読書日記 | 06:05 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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