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石原慎太郎    「男の粋な生き方」(幻冬舎文庫)

本のタイトルからして、人生のあるべき姿、あるいは人生の指南書かと思って読んだが、殆どが自慢話。自分があゆみ生きてきた人生はすべてが正しく、欠点や後悔することは何もなかったと。

 この作品のなかに、人生では貧乏を経験せねば、社会や他人のことが理解でき、強く生き抜ける人間にはならないという章があり、石原慎太郎が貧乏?少し信じられないと思いページを開く。

 その貧乏というのは、彼の一橋大学時代のこと。本当にお金が無く、貧乏の寮生活だったことをエピソードを交えて書いている。

 貧乏か裕福かということは相対的なものだと思う。戦争直後、国民全体が食うか飢えるかの瀬戸際だった時代。とても大学進学など考えられる状態ではない。それを思うと、そんな時代に一橋大学に通えたというのは裕福な部類に入っている。それを貧乏をしたことが人生の糧になっているといわれても素直に受け取れない。

 しかもそれは人生の中で少しの期間。

その直後には、富士重工をスポンサーにして、海外旅行など解禁されていない時代に、スクーターとトラックを連ねて、南米5000キロの旅をしている。まだ、パンアメリカン道路は無く未舗装の時代。

 東京オリンピックの翌年には、大京の横山社長のプラベートジェットでオーストラリアのゴールドコーストまで飛び、南太平洋の海を水中ハンティングして楽しむ。

 車が少ない貧乏な時代、ムスタングやトライアンプ、オースティンヒーレーなどを乗り回し、銀座で飲んで逗子の家まで帰ってくる。

 ヨットのことは全くわからないけど、読んだだけでいかにも凄そう。
「少し前に、人に勧められてディンキーヨットを手にいれた。ヨットの盛んなアメリカのメイン州の造船所で今もつくっている、知る人ぞ知る、かってのアメリカス・カップのJボートのデザイナー、ハーショフのデザインの十七フィートのガフリグつきのディンキー・ヨットだ」

 これで、世界のヨットレースに参加する。

 この人生に平凡な人々が何を学べるか。ただただ、ため息ばかりである。

しかし、石原が素晴らしいと思うのは、多くの書物を読み、多くの友人、知り合い知己をもち、それを血肉にしていることである。小説家で最も博識の作家であることは間違いない。

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