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黒柳徹子   「あの日の『徹子の部屋』」(朝日文庫)

テレビ朝日の「徹子の部屋」は昭和51年の2月に第一回目のゲストに森繁久彌を呼んでスタートした。私は、昭和50年に会社生活をスタート。すでに定年退職をしているが、「徹子の部屋」はいまだに続いている。日本テレビの「笑点」もお化け番組として続いているが、当初のメンバーからは入れ替わっている。しかし「徹子の部屋」は黒柳徹子が一人で40年を超えていまだに頑張っているからすごい。

 この作品は、そんな初期のころのゲストとの対談を収録。ほとんどのゲストがすでにこの世の人では無くなっている。作品を読むと会社生活をスタートしていたころの風俗や情景が浮かんできてとても懐かしく読めた。

 杉村春子の代表作は何といっても森本薫原作の「女の一生」。700回以上の舞台上演が行われた。その初演が行われたのが驚くことに昭和20年の4月。その一か月前には東京大空襲があり、戦争末期の空襲真只中。

 当初は築地小劇場で上演する予定だったが、空襲で焼け落ち、久保田万太郎や渋沢秀雄が尽力して道玄坂にあった東宝映画劇場でやれることになった。

 上演日数は5日間。空襲がポンポン行われている中。上演中、一日は東中野から日暮里までが全部焼かれ、もう一日は京浜地区が全部焼かれる。

 しかしよくそんな時に舞台公演などできたものだと感心するのだが、客が来るのだろうかと思って読むと、それがたくさんやってきて行列を作る。みんな鉄カブトや防空頭巾をかぶっている。

 もうその時は、明日の命がどうなっているかわからない。自分が生きているあいだに舞台をみておこうというお客さんで劇場はあふれかえった。

 空襲警報が鳴ると、当然劇は止まり、観客は避難に逃げる。しかし俳優たちは、劇場にとどまる。そして、また人々が戻ってくると、止まったところから劇が始まる。

 戦争といえば、この対談集に収録あれている三波春夫の体験もすさまじい。三波春夫は徴兵され黒竜江沿いのソ連国境沿いで戦闘に巻き込まれる。そこでの三波が語る戦闘場面が胸に突き刺さるように激しい。

 戦争を描いた小説は多いが、ここまで胸を打つインタビューは少ない。

 三波は、4年にわたるソ連での辛い捕虜生活をしている。

 前もってシナリオは多少できていたかもしれないが、杉村、三波の壮絶な体験話を引き出した黒柳の力にただただ感心した。

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| 古本読書日記 | 06:42 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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