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佐野洋子   「私の息子はサルだった」(新潮文庫)

この前、故郷の村から電話があり、驚くことに保育園の同級会をやるから是非出席してほしいという依頼があった。正直、おぼろげに情景が浮かぶが、それが何の場面なのかさっぱり思い出さない。小学校の同級会は先生が92歳とご高齢で、先生の強い要望で出席している。しかし、低学年のとき、担当されていた先生。もう60年も前のこと。保育園同様先生の名前を憶えていても、その年代のとき何をしていたか具体的に思い出す出来事は全く無い。

 ところが先生のほうは、いろんな思い出を持っていて、あんなこと、こんなことと面白おかしくエピソードを話してくれる。みんな、そんなこと本当にあったのと驚く。

エピソードのなかで一番まいるのは、恋をしていたという話。保育園でのことを先生から言われても全く思い出が無いのだから弱る。

 このエッセイのような物語でも、佐野さんの息子さんがゲン(実際はケン)なる名前で登場。タニバタさんという同級生に恋する。このタニバタさんを、他の2人の男の子が好きになる。彼らがゲンの家に遊びに来る。それもタニバタさんを伴って。しかし、家ではタニバタさんをほったらかしにして、男3人が,基地ごっこなどをして遊ぶ。そして恋敵のはずなのに、3人は無二の親友となる。

 こんなことを面白おかしく佐野さんは事実を膨らましたり、嘘もいれて書き本で発表する。
息子さんであるケンさん。街を歩いている人から、指を指されながら、タニバタさんに振られたんだよねって言われるからたまらない。

 それで、ケンさんは母親の佐野さんに、もう自分のことは書かないでくれとお願いする。佐野さん不満顔をするが同意する。でも、本にはしなかったが佐野さん息子と自分について密かに書き、手元においていた。

 佐野さんは2010年に逝去されている。そしてこの作品は2015年に出版されている。
ということは、書きとめておいた原稿を本にすることを息子さんのケンさんが承諾しているのである。

 こんな楽しく面白い作品が出版され、多くの人々に読まれる。息子のケンさんの英断に大感謝。

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| 古本読書日記 | 06:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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