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岩波明     「うつ病」(ちくま新書)

バブルがはじけて、数年たって出版された鶴見済が執筆した「完全自殺マニュアル」は大ベストセラーとなった。この本を読み自殺をした人もでた。この時期日本経済は落ち込み不況が日本を覆いつくした。そしてそこから自殺者数が急激に増加。1999年には3万人を突破、ずっと3万人台が維持されてきた。

 ここにきて、失業率が低下し、景気も上向きになったことが影響したのか、最近では2万4千人までに減っている。それでも自殺率は、先進国のなかでは最も高い水準にある。

 この作品に「完全自殺マニュアル」の「はじめに」から引用している文がある。

「そう、もう死んじゃってもいい。学校や会社に行ったり、生きてるのがイヤだったり、つまんなかったり、それどころか苦しかったりするんなら、細い境界線を踏み越えて死んじゃえばいい。誰もそれを止めることなんができない・・・・『将来、将来!』なんていくら力説してもムダだ。あなたの人生はたぶん、地元の小中学校に行って、塾に通いつつ受験勉強をしてそれなりの高校や大学にはいって、4年間ブラブラ遊んだあとどこかの会社に入社して、男なら20代後半で結婚して翌年子供をつくって、何回か異動や昇進をしてせいぜい部長クラスまで出世して、60歳で定年退職して、その後10年か20年趣味を生かした生活をして、死ぬ。どうせこの程度のものだ。しかし、絶望的なことに、これが最も安心できる理想的な人生なんだ。」

 組織や企業は、個性的な人をあぶりだし、一緒に仕事をしたくない人として、はじきだす。しかし、最近は企業自らがリストラと称して、はじきだすべき人を能動的に作る。徐々に変化しているかもしれないが、日本では一旦はじきだされると、ほとんど復活するステージは用意されていない。

 この恐怖が、過労死自殺を生むし、中年以上の社会人の自殺をつくる。

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