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ニーチェ   「この人を見よ」(岩波文庫)

哲学書はニーチェを含め、ほとんど身近で親しんだことがないので、理解が浅く、頓珍漢な感想になるかもしれないことが少し怖い。

 ニーチェは旧来の価値の転換を強烈に主張する。旧来の価値というのはキリスト教である。

 メリメに自分が言いたかったことを先に言われたとことわってメリメの言葉を紹介する。
「神のなしうる唯一の弁解は、実は自分は存在していないのだと言うことだ。」

 これに続けてニーチェは言う。
生存に対するこれまでの最大の抗議は何であったか。神を案出した・・・こと。

 そしてニーチェは高らかに宣言する。
わたしがはじめて「真理」をはかる尺度を手にいれたのだ。わたしがはじめて決定することができるのだ。・・・まるでわたしの内部で「意志」が一つのあかりをともして、いままでその意志がやみくもに走り下っていた下り坂を照らし出したかのようだ・・・この下り坂―それは「真理」への道と呼ばれていた。・・・あらゆる「暗い衝動」は終わりを告げる。よい人間こそ正しい道を知ることがいちばん少なかったのだ。・・・・わたしの出現以前には何びとも正しい道、すなわち上りの道を知らなかったのだ。わたしが現れてはじめて希望が、使命が、規範となるべき「文化の道」が再生したのだ。-わたしはその文化の福音の使者なのだー。

 そして、自分が上り下りする梯子は途方もなく、どんな人間より遠くを見た。より遠くを意識した、より遠くに達した。その上下で最も深いところに達して、相反する矛盾を統一できたのは人類史の中で自分ニーチェのほかに誰もいないと高らかに宣言する。

 ニーチェはこの作品を記した直後、精神異常をきたし、その苦しみのなかで11年後に亡くなる。

 しかし、この作品を読んでいると、現在の人類の規範から見た場合、ニーチェが異常に見えただけで、実は今の規範が人類の歴史において異常なのかもしれないと感じた。

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| 古本読書日記 | 05:51 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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