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森岡孝     「就職とは何か」(岩波新書)

何年か前、第一生命が募集しているサラリーマン川柳で入賞した作品に次ぎのようなものがあった。
 「残業も毎日続けば定時です」これは過重労働を既成事実化することになるので、まずいということで、最近は過重労働を減らそうとして、企業は特定の日をノー残業デイと称し残業をしない日を設けることが流行っている。すると、こんな川柳が入賞するようになる。

 「ノー残業これで明日は超残業」

最近はキャリアという言葉が日常語に溶け込みよく使われる。文科省では、社会にでて、通用できる人間を育てようと小学校からキャリアデザイン教育を施すように教育内容を変えようとしている。これは、企業や組織で融合して働くことができる人材を幼少のときから身につけさせる、即ち社会で存在する人間を、企業、組織にとって都合のよい人間にしようとすることである。

 財務省のトップが明らかにセクハラをしているにも拘わらず、擁護しようとする財務大臣がいたり、品質検査基準を無視した車が市場に出回ったり、欠陥部品材料が取引企業に納品されることが多くの一流企業で当たり前のように行われていることが毎日のように報道されている。

 この状況を、一部には日本ではかっては無かった、製造現場がリストラで影響が表れ、壊れかかっているなどと最近のできごとのように説明している論調がある。

 しかし、実情を調べると、最近のことではなく、ずっと昔から行われていたことが次々暴露されている。

 経済企画庁がかって出版した小冊子に「会社人間」について説明がある。
「会社人間とは出世競争への参加を自己実現だと信じ、身を粉にして働き、更に自分がいなければ組織が動かないと思い込んでいるような人間。組織のためなら非合法スレスレの行動をとり、自分の所属する組織にのみ目が向き、幅広く国際問題、社会問題に関心がはらうことができない。そのうえ、会社に長時間拘束され、行き過ぎた仲間主義により、不必要なつきあいを行い、その結果、家族と過ごす時間はほとんどなくなり、家庭に居場所がなくなり、仕事場のほうが居心地がよくなり、会社に人生全体をよりかかる人間」

 こんな化石のような人間がまだいるのかと思うが、現実は断然多いのである。こんな人間ばかりの組織だから、不祥事が頻出する。

 キャリアデザインで会社に都合のよい人間を育てようとする。会社に就職する人は、社会の常識を最優先に考え就職活動をしてほしい。また企業も社会常識を備えている人を最優先で採用する企業であってほしい。

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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