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高野和明    「ジェノサイド」(上)(角川文庫)

ジェノサイドは大量虐殺、皆殺しという意味なのだが、この物語では2つの意味で使われている。

 一つは文字通り、敵対する民族などを皆殺しにするという意味。

 それと、新しく進化した人類が、従来から生存していた旧人類を皆殺しする。そういえば、北京原人もピテカントロプスも現在のわれわれ人類が登場するのと入れ替わりにその存在は無くなっている。

 この物語では、特に後者を中心に扱っている。

元グリーンベレーで、今はイラクで民間傭兵会社に所属しているイェーガーに新しい任務が下りた。その内容に危険を感じたイェーガーは任務を断ろうと思ったが、息子が原因不明の重篤の病気で、その治療費用をうみだすため、任務の実行を承諾する。

 南アフリカで新たに3人の傭兵が加わり、第一次アフリカ大戦の最中にある、東コンゴに向かう。
 任務は、東コンゴのピグミー族が患っている致命的病気を除去するため、ピグミー続を皆殺しにする。それと、かってみたことのない生物に出会ったらしとめて、体の部位を持ち帰ること。

 このかってみたことのない生物というのが新しく発生した人類。アメリカで通信に使う特殊な暗号も瞬時に解読するし、数日学べば他言語もすべてマスターするという超能力を有する新しい人類。こんな人類が登場すると、旧人類やアメリカそのものも消失させられる。それで、この生物に遭遇したら殺せということになる。

 面白い発想だし、文章もわかりやすく、興奮しながら読めて楽しい。

ただ、人殺しができる条件として、精神的距離、物理的距離が大きく離れていることをあげ、精神的距離の乖離についての説明で、関東大震災のとき、日本人が在日朝鮮人を集団で襲ったことを事例としてあげている。日本人が朝鮮人を一段と低い民族とみなしているから、平気で襲い殺すことができたという。この部分が数ページにわたり長い。

 そして、物語から少し浮き上がり、なぜここまで関東大震災朝鮮人襲撃に高野は拘ったのだろうかと少し違和感を覚えた。

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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