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松本清張  「遠くからの声」

爺やの感想はこちら
表題作をプッシュしています。
あとがきの人も、「愛するがゆえにかえって憎しみ、遠ざけるという矛盾した愛憎の共存」云々語っています。
が、「妹が旦那に対して馴れ馴れしい。旦那も、無関心を装いつつ妹の境遇を気にしている。面白くないけど、嫉妬を表に出して笑われたくない」という奥さんのイライラのほうが理解できる。
「あの子は僕を愛しているから、あんな自棄みたいな行動をとるんだナ」
という男の気づきに、独りよがりじゃなかろうかとあきれた気分になってしまう。

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★殺意
青酸カリ=殺人事件の定番。購入者=怪しい奴。そんなふうに思われそうな、メジャーな化合物。
某「楽器の町」で働くねえやは、ラッパの部品をメッキするときに使うらしいという認識があります。
で、「いつか使おう」と長期間保管していると、毒性が失われるらしいです。(島田荘司「最後のディナー」)
表題の殺意ですが、あとがきで「心理学者の社会的動機の二十の類型でいうと屈辱回避」と解説されています。
二十の類型に上がるくらいなので、そこまで突飛な印象は受けません。

☆なぜ「星図」が開いていたか
昨日の記事で「不在宴会」というタイトルに、ビミョーだと突っ込みました。
このタイトルはいいと思います。さぞかし重要な理由が、「なぜ」の説明があると思いきや……ですね。

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★尊厳
「或る『小倉日記』伝」や「権妻」あたりに面白味を感じるので、こういう皮肉な結末はいかにも松本清張だと思います。
米国軍人の遺体を洗う仕事は、ほかの作品でも出てくるようです。

☆氷雨
オチのセリフがピンと来なかったクチです。うーん。
話としては分かったし、主人公がおでん屋で「昔、若い子と張り合ったことがありましてね」と笑い話にする設定は、ほかの作品に比べて穏やかです。
さらっと、「子供を二度ばかり産んだ経験のある」と書かれていることが、なんかひっかかる。
料亭の女中として働き、場合によっては客の誘いに応じ、一人暮らししているらしい彼女。
子供は、手放したってことだろうか。あんまり、こういう時代の水商売の女性を題材にした小説を読みなれていないので。

| 日記 | 20:39 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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