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加藤千恵    「春へつづく」(ポプラ文庫)

揺れる思春期、中学生、高校生を描いたら右にでる作家はいないと言われる加藤さんの中学生を描いた連作短編集。
 個性的な登場人物が多いが、特に図書館司書自称1200歳という女性は面白い。

主人公の杏は中学2年生で母さんのみやこさんと2人暮らし。みやこさんは高校をでて家出をする。みやこさんの話だと、東京でミュージシャンと恋におち、杏が生まれたとのこと。

 みやこさんは、岡村靖幸の曲が好きで、いつも口ずさんだり、家で曲をかけている。それで、杏は岡村靖幸は知らないが、気が付くと岡村の曲を歌っている。

 そして驚いたことにみやこさんは杏の父親は岡村靖幸だと言う。杏も時々テレビで岡村を見て。これがお父さんかと思っている。

 ある日、みやこさんが最も苦手としているお祖母さんの家にみやこさんと杏が行くことになる。お祖母さんはみやこさんと杏と3人で住みたいと思っているが今は一人暮らし。みやこさんは絶対同居はいやと思っている。

 その日、おばあさんの家でみやこさんの妹夫婦、その赤ちゃんとみんなでお昼ご飯を食べる。お祖母さんが食事をしながらみやこさんの妹に言う。

 「ほら、みやこが家出して東京で一緒に住んだ松本さん。」
 「お母さん松本ではなくて松井さんでしょ。アルバイトをしているという。」
 「ほんとうにロクでもないダメ男。養育費もいれない。みやこも何を考えているんだか。」

杏はびっくりする。

帰りの車でみやこさんに確かめる。「私のお父さんは誰?」と。

みやこさんは聞いてないふりをしてはぐらかす。杏は思う。それでもいい。岡村靖幸の曲「完全な愛」。みやこさんと杏の暮らしはいびつだが、ここには「完全な愛」が確かにあるのだと。

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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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