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小川糸     「卵を買いに」(幻冬舎文庫)

一年間の日記風エッセイ。
初めて飼った子犬ゆりねとの交わりと小説の取材ででかけたバルト3国のラトビア紀行が中心となっている。

ラトビアというのは、キリスト教或いはイスラム教などの宗教にこりかたまっている国かと思ったら、意外に日本と同じで多神教。八百万神がいる国なのだそうだ。だからクリスマスは盛大ではなく、お正月が盛大に祝われるそうだ。

 ラトビアには十得という生きてゆくために大切にしていることがある。「ねばならない」でなく「しましょう」というように表現される。

 これを小川さん流に表現するとこうなるそうだ。
「正しいこころで、隣人と仲良くしながら、誰かのために、まじめに楽しく働いて、分をわきまえ、清らかに美しく、感謝の気持ちで、ほがらかに、気前よく、相手をうやまう」

 なかなか欲張りで、どんな人なのか想像するのが難しい。

小川さんにそんな疑問をぶつけたらこういうのだろう。
「ここにそれを体現している人がいるんじゃないか。」と自分を指して。

私たちは会社のなかで、社会のなかで、変化することを求められる。変化できない人間は落伍者のような烙印を押されることがしばしば。そんないわれなき重圧に苦しんでいる人たちに対して、小川さんがガンジーの言葉を紹介している。

「あなたのすることのほとんどが無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分がかえられないようにするためである。」

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| 古本読書日記 | 05:52 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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