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東山彰良    「イッツ・オンリー・ロックンロール」(光文社文庫)

私が若いころのコンサートは、皆、椅子に座って楽しんだ。いつごろからか、コンサートでは、聴衆は座ることなくたちっぱなしで体全体でシャウトして、音楽を聴くというよりコンサートに参加するというスタイルに変わった。

 それにつれて、演奏するバンドマンも奇抜な服をまとったり、どぎつい化粧をして舞台へ登場。そして、ギターを舞台でたたき割ったり、投げたりするパフォーマンスが音楽そのものより重要な価値となってきた。その昔、ロッカーとして有名だった小説家は何とバンドが売れていた時代には、ギターが弾けなかったと告白している。

 こんな状態になるにつれて、ロックは一般的なものから特異なものにかわり、大コンサート会場から、ライブハウスが主要な演奏場に変わり、一部の熱狂的な人たちのものになってしまった。

 主人公のバンドが広島でライブをする。
最初は高校生3人組。登場するや空き缶やビール瓶が客席から投げられる。その一つがボーカルに当たり、彼らは3曲だけで演奏を終了。

 その後に登場した女性バンドが凄い。なにせバンド名が飛んでい過ぎる「原爆騎乗位」。
ボーカルの大女が最初にマイクを握って、叫ぶ。「十七センチ未満はお断り!」と。

 サビの部分で
「十七センチ未満はお断り!十七センチ未満はお断り!十七センチ未満じゃ満足できないの!」と叫ぶ。熱狂した観客が前へ前へとなだれ込んでくる。

 何曲目かの間奏のとき、観客が床を踏み鳴らす。ボーカルの大女が、四つん這いになって観客のドシン、ドシンという音にあわせ腰を上下に動かす。巨乳がいい感じに揺れる。

 そのボーカル。主人公のバンドが演奏しているとき、飛び込んできて、主人公の顔を胸の谷間に埋めさせる。それでも、姿勢を変えずに主人公は演奏を続ける。

 東山が少しデフォルメして描いているとは思うが、ロックが先鋭化してマニアックになっていることを想像すると、こんなとんでもないシーンもあるんだろうなと思った。

 こんな聴衆たちが、ライブではなく、同じ曲をどんな風になってCDで聞いているのだろうか。想像ができない。

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| 古本読書日記 | 06:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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