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角田光代     「世界は終わりそうにない」(中公文庫)

エッセイと三浦しをんや吉本ばなななど著名人との対談を収録している。

メールで(笑)と入れることがしばしばある。この(笑)にはいろんな意味と用法がある。なごむ場合もあり、自嘲する場合もあり、照れの場合もある。この(笑)があるとないとではニュアンスが大きく異なる。

 「体調を崩しました。」とだけ書けば、かなり意味は深刻な様相をはなつ。しかし「体調をくずしました(笑)」とすれば、「私ったら軟弱よね、でもすぐ治ったから心配無用よ。まったくトホホだわ。」(笑)をいれただけで、これだけのニュアンスが伝わる。

角田さんがアフリカのマリを旅して帰国。その報告をスリランカを旅していたときに知り合った友人に英語でする。
 で、はたと気付いたのだがこの(笑)が英語でどう表現したらいいのかわからない。

友人から、「新婚旅行だったの。」とメールがくる。「新婚旅行ではありません」の後に(笑)をいれ、何で新婚旅行でマリに行かねばならないの。それはないよね。そんなところへ新婚旅行になんか行ったら、旅行中ずっと喧嘩ばかりしていることになるよ。そんな意味をこめて(笑)をいれたかったのだが、わからないから「新婚旅行ではありません。」と紋切り型に答える。

 すると友達から「新婚旅行にはマリをえらばないよね。」返信があり末尾に「ha!」と文字がついている。
 「笑」は英語で「ha!」なのだ。

しかし「ha!」には、照れや恥じらい自嘲のニュアンスがない。乾いているし、どこか冷たい。それで角田さんは返事の末尾に「ha ha ha !......」と記して「笑」のニュアンスを出そうとした。でもやっぱり「笑」の感じがでない。

 「笑」に救われていることがおおいと角田さんは心底思う。メールでは大切な文字だ。

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| 古本読書日記 | 05:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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