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中山七里    「七色の毒」(角川文庫)

ミステリー短篇集。この中で驚いたのは「白い原稿」という作品。

出版社にポプラ社という会社がある。絵本や児童文学で有名な会社である。出版業界が縮小するなか、出生数が減少し、それにつれて児童用の本の市場も縮小して苦境にたたされている。それで一般文学に活路を見出そうとしてポプラ社小説大賞を創設する。この賞金額が破格で2000万円。確か芥川、直木賞は500万円だったことに比較しても。

 不可思議なことなのだが、この小説大賞4回まで受賞作品なし。そして第5回めで初めて大賞作品がでる。それがイケメン俳優だった水嶋ヒロの「KAGEROU」。私は水嶋ヒロの演じるシーンや作品は全く知らなかったが、名前は知っていた。

 それは、美人で人気のあった歌手絢香と結婚していたからだ。それで、世の中の流れ、ポプラ社の宣伝にひっかかり「KAGEROU」を購入。内容は殆ど忘れてしまったが読んだ記憶はある。

 私のようにひっかかった読者がたくさんいたようで、何と「KAGEROU」100万部の売り上げを記録した。

 このポプラ小説大賞。他の文学賞が、作家や書評家によって選ばれるのだが、何とポプラ社社員により選出するといううさん臭さがあった。

 それで、週刊誌が水嶋ヒロの受賞は、落ち目になった俳優が作家に転進しようとする水嶋と話題を作りベストセラーを実現したいポプラ社の思惑が一致したできレースではなかったかと記事を書いた。ポプラ社は2000万円の賞金もださないことを水嶋に了解させていたなどと言われた。

 その記事をそのままに、「白い原稿」で中山は描いている。それはないよなと思ったのは、妻が2作目を書けない主人公に悲観して、主人公を殺害してしまうところ。綺香がそんなことをするわけない。

 最近は水嶋ヒロもCMなどで起用され、それなりに活躍している。水嶋と絢香には可愛い娘が誕生して、夫婦は仲良く暮らしているとのこと。小説とは正反対の状況。よかったねヒロそして絢香。

 それにしても中山は凄い。ポプラ社は文庫も出版しそれなりの力のある会社。その会社を敵にするような作品を書くのだから。

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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