FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

朱川湊人   「今日からは、愛の人」(光文社文庫)

仕事も家もなく、ネットカフェを渡り歩き、時には公園で寝泊まりして暮らしている主人公の亀谷幸慈。ある日女性にカツアゲされ弱っていた男を助ける。この男、過去の記憶を喪失していて、更に変なことを言う。「カツアゲしていたのは悪魔で、自分は元天使だ」と。

2人は一緒に行動しだす。そして、池袋でシメ子という女性に声をかけられ、シメ子が住んでいる家で一緒に暮らすようになる。その家は「猫の森」と言われていて、すでに、そこにはイカツイ男マロ、逆にポッチャリしている奥山ことオク、そしてイケメンのミチヤが住んでいた。そして亀谷とカツアゲされた男を含め6人が共同生活をするようになる。

 この作品ここまでがテンポも良く、ユーモア満載で面白いのだが、ここからが現実にはありえないパラレルワールドの世界が展開。話のテンポも落ち、やや重く、前半と同じ作品とは思えない調子となる。

 高田真咲という尾崎豊をモデルにした歌手が登場する。この尾崎をマロが殺してしまう。その場面、懺悔の部分は、本当にそう思えるかなあ。少しできすぎじゃないかと眉をしかめる。

 カツアゲされた男、ニックネーム、ガブリエルは天使、彼の力で、4人の男は現実に住んでいた世界をぬけだし、猫の森に住むようになった。主のシメ子は、売春をしていて、そこでのトラブルで殺されバラバラにされたが、同じ別世界で生きている。

 シメ子と4人の男は、現実には悲惨な生活を強いられ、友達も一人もいない。それが実際の世界で殺人を起こしたり、被害者になってしまう原因となっている。

 ガブリエルはそんな5人を別世界に集め、友達を作ったり、家庭を味合わせてあげる。
そんな味わいはまた元の世界に戻れば消滅するのだが、そのぬくもりはどこかに残っていて、幸せな暮らしを「猫の森」で経験できたと彼らの心にも温かさが生まれる。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT