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森美樹    「ソラ色らせん」(講談社F文庫)

14歳だった。たった14年しか生きていなかった。出会ってから一か月しかたっていなかった。でも、100年も1000年も一緒にいた気分になった。

 出会ってから一か月間、主人公のマリとソラは学校の屋上を中心にぎこちないデートを重ねていた。海へも行った。

 今日も屋上にやって来た2人。マリが手放した赤いリボンが宙に舞う。それを獲ろうとソラが外柵に登る。そこで、足が離れソラは転落する。

 一命はとりとめたもののソラは、植物人間となって病室に横たわる。
それから、毎日マリはソラに会いに病院へ通う。眠ったままのソラに声をかける。

 マリはそれから高校に入り卒業。短大に通い、そして卒業。高校時代に街を歩いていたとき、年配の男に声をかけられ、ホテルに行き、肉体関係を持つ。その男が芸能プロダクションをしていて、マリは彼に頼んで、モデルとしての仕事を得る、少しは売れたが、今は、ヌードすれすれのモデルとなって働くところまで落ちてしまっている。

 そんな中、ソラに奇跡がおき、意識、感情が復活する。

 マリは今でも、ソラを深く愛している。しかし、ソラは14歳のまま時が止まっている。マリはもう23歳になろうとしている。

 14歳からみれば23歳は、もうおばさんの年恰好。甘い言葉や行動をついやしても、ソラには通じない。ソラが人間らしくなるのは、ベランダに座って学校へ通う中学生を眺めているときだけ。

 ふたりの心の差はいつ埋められるのだろうか。それとも埋まらないまま物語は終わるのか。ハラハラが最後の数ページまで続く。

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| 古本読書日記 | 05:48 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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