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堀川アサコ    「たましくる」(新潮文庫)

一見超現象に見える事件を論理的に推理して解決する盲目のイタコ千歳と、幽霊がみえてしまう幸代とのコンビが、猟奇的事件に臨むオカルティック・ミステリー集。

 というわけで、雰囲気は、猟奇小説むんむんなのだが、読んでいくと、どの短編も、筋は整然としていて、オカルト的ではない。

 巻頭の作品で、本のタイトルにもなっている「魂くる」。幸代の姉、雪子が酒田という男と心中したという事件も、雪子がカタカナしか書けれないのに、遺書がひらがなになっていたというトリックが解明され、心中ではなく殺人事件とわかり、酒田の子分で、雪子を愛していた田浦の犯行が浮かび上がる。

 事件はいかにも単純で、初歩レベル推理小説。
それを、舞台を昭和9年の雪深い北国弘前として、暗く、貧しい地帯、病気や死を科学で克服するのではなく、霊気、妖気に頼る。そんな東北の暗い雰囲気に物語を包ませ、膨らましている。しかし、物語と雰囲気が上手く共鳴できていない感じがしないでもない。

 雪子が産んだ安子。この子は、弘前の素封家で千歳の兄が雪子と作った子。それで素封家である大柳家が安子を養女として、幸代を千歳の世話人として引き取る。

 この千歳の兄新志は、3回心中事件を起こしそれでも生き延びていて、謹慎の身。
新志は太宰を彷彿させようとして堀川が創り上げた人物。それなりに、物語では融和している。

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| 古本読書日記 | 06:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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