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堀川アサコ    「三人の大叔母と幽霊屋敷」(文春文庫)

不思議な現象がしばしばおこる、主人公の14歳の奈央が住んでいるこよみ村。奈央の大叔母様の3姉妹。繁子、竹子、花子が、繁子の遺産相続で繁子と長男一郎と衝突して、それにいやけがさして、こよみ村滑坂にある古屋敷に逃げてきたのをきっかけにして、嫁いだ家から逃げ出して住むようになる。3人が育った屋敷だ。

 しかし、3人は嫁いだ以降、この屋敷にやってきても、絶対泊まることは無く、必ず夕方には自分の家に帰った。今回は3人一緒だから大丈夫ということで住むことを決意したのだ。

 こよみ村に、明治時代に楠美という博士がやってきた。博士はこよみ村の隣町竜胆市の竜胆大学で教鞭をとっていたが、専門が催眠術の研究、そんな教師は不要として追い出されたところを、こよみ村の名士である、奈央の曾祖父湯本進が手をさしのべて、住む場所、生活の面倒をみた。

 湯本進は当時こよみ村の村長をしていて、その息子勘助つまり奈央の祖父、そして奈央の父である育雄も村長になっている。
 3大叔母が逃げ込んだ古屋敷はずっと借り手が無かった。

実は、この古屋敷竜胆市の名士だった水上家の別荘になっていた。水上家は多くの土地を持っていた大地主だったのだが、農地解放により殆どの土地を失い、生活費さえ稼ぎ出すことができなくなり、家族でこの屋敷まで逃れてきていた。しかし、この別荘を手放しても借財は返すことはできないことになり、昭和27年に一家心中をする。

 そして死まで追い詰められた家族が、幽霊となって屋敷に現れる。これが怖くて3大叔母は、決して泊まることはなく帰宅していたのだ。

 この心中事件、奈央と恋人麒麟が幽霊と遭遇しながら(殆ど気配のみ)心中事件でなく、凄惨な殺人が行われていたことをつきとめる。

 しかしおかしいのは、これだけの凄惨事件だから、村人は殺人事件として知っていたはずなのに、誰もが心中事件として記憶している。

 びっくりするのだが、当時村長だった勘助が、楠美博士とはかって、村民全員を殺人事件でなく一家心中だったのだと催眠術をかけ記憶を変えてしまっていた。

 しかし当時村人は数百人はいただろう。どうやって漏れなく全員に催眠術をかけたのだろう。一人一人並べて?どえらい時間がかかってしまうじゃないか。

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| 古本読書日記 | 06:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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