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坂木司    「シンデレラ・ティース」(光文社文庫)

最近はラーメン屋とおなじくらいに、いたるところにあるのが歯科医院。だから、患者さんなどという呼び方はしない。すべてお客さんである。診察券などと言わずメンバーズカードと言う。

 スポーツクラブに通うか、エステを利用する感覚で通って欲しいから。だから室内は洒落たインテリアで統一され、トイレの横にはパウダールームまである。治療中に化粧が落ちることがあるため備えられている場所だ。

 主人公のサキは夏休み中のアルバイトで母の紹介で叔父さんのやっている歯科医院の受付をする。そんな歯科医院には、歯の治療のみならず、様々な問題を抱えた患者がやってくる。そんな患者と最初に対面するのが受付。色んな人に微笑み一番で対応しながら、スタッフに援助され、問題をサキが克服してゆく連作短編集。

 高津裕美という若い女性が歯の詰め物がとれたとこの歯科医院にやってくる。そのときの問診票に一日パソコンを操作しているせいか肩こりや疲れがひどいと書かれている。

 ある日、予約も無いのに若い男がやってきて受付で声をはりあげ怒鳴る。
「この歯医者は時間がかかりすぎる。いくら丁寧な治療とはいっても私生活まで影響が及んではいけないじゃないか。更にたくさんの薬をだすし、風呂に入ってはいけないというときさえある。」

 このクレームを言ってきたのが、高津裕美の彼氏。

歯科技工士の四谷が歯型を調べて、裕美が歯ぎしりで困っていることをつきとめ、それが彼氏のクレームに繋がっているのではと推理する。

 裕美が歯医者にやってくるのは、調べると夏休みなど長期休みの前日。歯ぎしりがばれることが怖くて、旅行に誘われるが断るために休暇前ばかりやって来たのだ。飲む薬がお風呂にはいってはいけないとか断る理由をついてきたが最後は理由がなくなり、詰め物をほじくりだし旅行を断っていたのだ。

 四谷君の推理は素晴らしいが、しかし裕美の歯ぎしりを無くす方法は無い。中途半端な結末だった。

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| 古本読書日記 | 05:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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