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宮沢章夫     「長くなるのでまたにする。」(幻冬舎文庫)

宮沢、「牛への道」や「わからなくなってきました。」は、ブラックユーモアが効いて、面白く拝読したが、このエッセイ集は苦しさが表にでていて読むのが辛かった。

 宮沢はたぶん、多くの友達や仲間に恵まれ、快活な毎日を送っているのだろうと想像する。エッセイというのは、少し孤独で、世の中を拗ねてみる人の方が、変な見方をしてユニークで面白いものが書ける。

 宮沢のこのエッセイ。自分でも本当に面白いと思って書いているのだろうか。締め切りがどんどん迫ってきて、無理やり面白さを装うとして書いているように思える。

 「なぜ私は沖縄に行くことになったか」というエッセイはその悪さが顕著にでている。

 ふとどこかへ行きたくなった。何の根拠もない決断である。沖縄でなく別の場所でもよかった。そこがどんな国かわからないが「アゼルバイジャンに行こう」でもよかった。
 でもいつもよく行く平凡な場所はだめだ。「ハワイに行こう」「グアムに行こう」ではだめだ。

 「そうだ幡ヶ谷に行こう」。
宮沢は京王新線の「初台」に住んでいる。「幡ヶ谷」は隣駅だ。地下鉄が乗り入れている、京王線の「仙川」「そうだ仙川に行こう。」仙川がゆるされるなら、もうどこでもいい。赤羽でもいいし、東池袋でもいい。西荻窪でもいい。府中競馬正門前駅でもいい。何も駅でなくてもいい。

 「サンリオピューランドに行こう」はたまた「ピレネー山脈に行こう」
それでも私(宮沢)は「沖縄に行こう」と決めた。

 この、意味のない、そしてまったくつまらない、しつこい前触れに宮沢の行きづまりを感じる。

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| 古本読書日記 | 05:48 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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