FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

桐野夏生     「奴隷小説」(文春文庫)

奴隷、抑圧され、絶対にそこから抜け出すことができない人たちを描いた短編集。

アイドルというのは、1980年代までは、テレビのあまたある歌番組に登場して、みんなのキューピッド、憧れる存在だった。90年代にはいり歌番組が殆どなくなる。しかしアイドルという歌手やグループは存在し、その活動は小規模なライブハウスを中心に行われている。彼女たちは小さな芸能事務所に所属、ライブに合わせ物販なども行う。

 以前は「地下アイドル」と呼ばれていたが、差別ではないかと言われ、現在は「ライブ アイドル」と言われている。

 主人公の友梨奈は、小さいころから人前で踊ったり、歌ったりすることが大好きな子だった。母親の多佳子もスマップに憧れ追掛けまでしたが、自分も芸能界に入ろうなどと思ったことは無く、娘の友梨奈も同じだろうと思っていたがそうではなかった。

 友梨奈は内緒でいくつものオーディションを受けていて、小さな芸能事務所のオーディションに合格して、高校を中退上京、その事務所の所属タレントになった。とはいえ、レッスン費用、生活費はすべて両親が負担。

 何年もたつのだが、デビューすることはかなわない。そんな中「MAY BEE DOLL」という5人組のユニットが結成され友梨奈も加わることになった。5人はみんな仲は悪いが、外に対しては仲良しで振舞う。

 そんなMAY BEE DOLLがライブハウスのイベント「アイドル イクスプロージョン」に初めて出演する。母親と友梨奈の妹は、いさんで状況しイベントにでかける。

 MAY BEE DOLLは4番目の登場だ。その前にアイドルとして人気のある「東京女子界」が出場する。観客の殆どはこの「東京女子界」が目当て。
 「東京女子界」のライブが終わる。ほとんどの観衆が会場の外へゆく。物販と握手会があるからだ。

 閑散とした会場でMAY BEE DOLLは歌う。曲目がすべて終わると、メンバーが「海上を盛り上げてくれてありがとう」とか「今度はみんなと一つになりたいです」など、最後の挨拶をする。友梨奈の番になって、友梨奈は困って声をあげる。
 「お客様は神様です。神様よろしくお願いします。」完全にすべる。

そして握手会。MAY BEE DOLLには20人ほどしか並ばない。

 その中の一人が友梨奈に声をかける。
「お客様は神様ですはよかったよ。君たちは夢の奴隷。お客様である神様がいつか解放してあげるよ。」
 そのいつかは残念だが、来ないんだよね。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ



| 古本読書日記 | 06:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT