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宮部みゆき    「悲嘆の門」(下)(新潮文庫)

4人の人が場所も苫小牧から戸塚まで、指など身体の一部が切断されて殺害される。場所は離れているが、4つの事件は何か繋がりがあるのではないか。しかも、最後には、主人公の孝太郎がアルバイトで勤める「サイバーパトロール会社」の女性社長まで殺害される。

 そして、新宿の廃墟となった茶筒ビルの屋上のガーゴイル像が夜中になると無人にもかかわらず動く。
 これらは、何かトリックがあり、事件解明時、なるほどという種明かしがあると思って読むと、全くそれは無い。

 実はガーゴイル像は異界、無名の地からやってきたガラという魔物。しかも5つの事件は全く関連性はない。

 これだけ期待させてそれは無いよなと思う。

戸塚の保育園の母親殺害事件は、主人公孝太郎がガラから授けられた、霊力を使い解決する。

保育園のサイトに入り込んだ孝太郎、パソコンに犯人と思われる中園孝輔が浮かび上がる。深山は、保育園の近くで花屋をやっていて、時々保育園のプランターの花を入れ替えている。園児や保育士さんからは「町のお花屋さん」といわれ親しまれている。
 「町のお花屋さん かつら屋 お花の配達・お庭の管理、何でもお引き受けします。めばえ保育園のお庭番 中園孝輔でした。」
 このブログの画面に、鮮血を発している人形たちが、孝太郎めがげてとびかかってくる。ガラから手にいれた霊力によるものだ。

 これで、とても犯人とは思われない、優しい花屋の主人が人殺しの犯人だとわかる。

 最近の宮部はリアルが無くなり、魔界、異界と現実を重なり合わせた作品が多くなった。
殺人事件を、魔界の力で解決してしまうのにはがっくりする。

 宮部は今後こんな作品ばかりを書くのだろうか。現実に根をおろしたミステリーはもう書かないのだろうか。残念に思う。

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