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坂東眞砂子    「花の埋葬」(集英社文庫)

夢と現実が混沌としている世界を描いた短編集。

 相談があるからと、実家から呼び出された主人公は有休をとり、故郷に帰って来た。駅から日に2本しかないバスに乗り、実家のある村にむかう。そのとき高校時代の同級生の晴子にバスの中で会う。

 窓から外を見ると5,6人の男が歩いているのが見えた。「あ、由紀夫くんだ。」と主人公が言う。

 由紀夫君は、小学校から高校までずっと一緒。毎日のように口喧嘩をしていた。互いに好きだったかもしれなかったが、恋愛関係一歩手前でずっとすごした。そして大学。二人は別々となり関係は無くなった。

 晴子が言う。「何言ってるの。由紀夫くんであるわけがない。由紀夫くんは5年前に亡くなっているの。」

 主人公の私はそれはおかしいと思う。この5年間、実家に帰る度に、由紀夫くんをみている。死んだなんて変。でもゆっくり考え直してみると、由紀夫くんは私と同い年だから35歳。でも出会う由紀夫君はいつも小学生から高校生の姿。

 と思って、隣の晴子をみる。高校生姿だったはずの晴子が、みたこともない中年のおばさんに変わっている。そういえば、晴子は中学生のとき、海で泳いでいて溺れ死んだのだ。征服を着て葬式にでたことを覚えている。

 それどころか、母親が言っていたが、今年の春から、バスが無くなったはず。私は今どこにいるのだろう。そんな時、次が降りる停留所だとバスが案内する。

 こんなシュールな短編が収録されている。

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| 古本読書日記 | 06:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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