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坂東眞砂子    「快楽の封筒」(集英社文庫)

男と女の関係を「性」という視点から濃密に描く、官能小説短編集。

それにしても、坂東の女子大生についての描きぶりが実に切なく極端。
人生の選択が正しかったか、間違いだったかわかるのは、時間の問題。何年もかけてじわじわと認識する場合もあれば、選択直後に発覚する場合もある。

 主人公初美の場合は後者だ。
巴女子大は京都にあり、関西では名門の女子大だ。こじんまりとして、伝統があるなどの謳い文句に魅かれ初美は入学した。

 男という目障りな生き物の存在しない世界で、女子大生たちは、のびのびとしていると思い込んでいたが、現実は、水を絶たれた植物のように元気がなかった。男の目から遮断されていた女たちは、実に冴えなかった。西日本各地から集まってきた才媛たちのなかには、よくみると綺麗な顔立ちの娘も何人かいた。しかし、女同士の魅力競走から外れてしまったせいか、みんな野暮ったいのだ。キャンパスは老嬢の園のようだった。

 知的競走という点では、逆に女同士のなれ合いが先にでて、活発な学問の場というよりは、お茶飲み友達の延長のような会話しかなかった。

 女子大というと、男たちは例外なく、ピチピチの女子大生を想像して、心をときめかせる。
こんな男の夢を破壊するような坂東の描きっぷりはショックである。

 こんな女子大生は、少数派で、多くは、活発にキャンパスライフを謳歌していると信じたい。

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| 古本読書日記 | 05:52 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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