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綿矢りさ    「ウォーク・イン・クローゼット」(講談社文庫)

人間、特に男女は、外見、スタイルで交際できるかどうかが決まる。まあ、外見は自分自身についているものだし、仕方がないかと諦めることもできる。

 20代前半までは、着ているものには頓着しなくても、恋愛はできた。しかし、アラサーにもなると、そうはいかなくなる。

 男はもちろん、仕事で勝ち抜くにも、外見ではなく服装で勝負する。

「働いて手にいれた服に(ウォーク・イン・クローゼットの中で)囲まれていると、いままでのがんばった時間がマボロシじゃなかったんだと思って、ほっとする。この部屋でドアを閉めて考えごとしてると、まだやりたい仕事がいっぱいあるって、むくむく野心がわいてくる。私にとってきれいな服は戦闘服。」

 そう、私たちは服で武装して欲しいものをつかみとろうとしている。

どこか変に思う。本当の中身は服の向こうに存在するのに。自分を知ってもらうためには、服という大きな壁がたちはだかる。
 でも、しかたない。だって恋人のユウヤだってレストランでサーブしてくれている女の子についてこんな風に言う。

 「さっき水注いでくれた子、化粧も薄くて童顔で可愛かったけど、穿いてるデニムのサイズが間違っているね。腰骨のあたりの生地が浮いてるよ。仕事着とはいえ、ぶかぶかでみっともない。ジャストサイズはあと一インチ下だな。元デブなのかな?」

 山のように散財して洋服を買い込み、毎日勝負する。女性は本当に大変だと感じた。

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| 古本読書日記 | 06:05 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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