FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

横山増生    「ユニクロ帝国の光と影」(文春文庫)

このノンフィクション、ユニクロが2億2千円の賠償を要求して訴訟を起こした作品。訴訟の後、出版社の文春は、ユニクロの逆襲を恐れて沈黙を守る。そのユニクロを支援したのが何とあの権力大嫌いの朝日新聞社。AERAでユニクロの社長の柳井正が表紙を飾るほか、朝日新聞ではユニクロの全面広告を6回も掲載している。

 最近は当たり前のようになって、あまり語られることがなくなったビジネスプロセス改革方法としてSCMという方法がある。サプライチェーンのプロセスを徹底統合管理して最適なプロセスを構築するということだ。

柳井はアパレル業界にあってSPAというサプライチェーン改革を徹底して行い、現在のユニクロの繁栄を実現した。SPAとは製造小売りと訳される。商品企画から生産、流通、最終小売りまでを卸や商社などを介在せずに、自前のコントロール下において管理する。毎週、小売りの販売状況を把握して、売れ筋商品の増産、逆に減産を工場に指示する。このプロセスを常に強固なものに進化させてゆく。これがユニクロの繁栄を支えている。

 ユニクロは柳井であり、柳井は唯一ユニクロである。柳井以外はすべて家畜のような存在。
休職中の店長の80%は精神病を患っている。新入社員の半分は3年以内にやめる。あまりにも離職率が高いため現在は非公開としている。降格左遷は日常茶飯事。商品同様社員、アルバイトもSCMで対応する。いらなければ首切り。必要になれば大量採用。

 しかし柳井はそれを悪いとはゆめゆめ思ってはいない。こんな横暴なことをしていて会社は滅ばないのか。果たして後継者はいるのか。外野は余計な心配をしてくれなくてもいい。家畜扱いしてきたから、今や年間2兆円を超える企業になったのではないか。

 この本は、柳井を批判的に描くが、ここまで徹底してやりきらないと企業は発展継続しないのだという柳井の強烈な信念が溢れている。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 05:45 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT