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山本幸久     「店長がいっぱい」(光文社文庫)

友々家。全国に120店舗を構える、友々丼(他人丼)のチェーン店。会社の左遷組、転職組、離婚した主婦、家出青年やら色んな店長がいる。そんな彼ら、毎日のように発生するトラブルとの戦いなどを描く奮闘小説。

 海野陸夫は大学受験に失敗、家でゴロゴロしていたが、受験勉強をする気にならず、モンキーという小型バイクに乗って家をでる。そしてビジネスホテルに泊まりながら、渋川駅までやってくる。そこで「アルバイト募集」の張り紙を目にして、応募する。

 面接にゆくと面接者は元サーファー「海野陸夫。名前がいい。水陸両用じゃないか」ということで即採用。それは友々家渋川店の店長の募集だった。

 友々家渋川店は、お客のいない店だった。さびれてゆく田舎町。たまの客は伊香保温泉にゆく人が立ち寄るだけ。商店もポツンといくつかあるだけ。空き家ばかり。

 そんな店に65歳の熊坂がアルバイトで勤めだす。彼は、全く仕事ができず、他人丼を創れば焦がすばかり。どうにも使えないバイトだった。ところが、彼は地元の太極拳友の会のメンバーで、その会員の人がやってくるようになる。更にその会員が地元の人を誘う。熊坂は仕事をそっちのけにして、カウンター越しに彼らと話をする。

 そしてやってくる人たちは冷酒やビールを楽しむ。周りには飲み屋が殆ど無い。完全に友々家は地元民のたまり場居酒屋になってしまった。
 だけどそのおかげで友々家渋川店は毎月売上を伸ばし、本社から注目されることになる。

しかし、熊坂以外のアルバイトから熊坂の勤務態度は最悪ということになり、熊坂を辞めさせるように圧力が陸夫にかかる。

 そんな時、熊坂が常連客下田と喧嘩になり、殴り合いをする。これをとめに入った陸夫を間違って熊坂が殴ってしまい、陸夫は倒れ意識を失う。熊坂はとっとと逃げる。

 幸い陸夫は大事には至らず、退院をする。この後、熊坂をどうするか陸夫は悩む。そしてモンキーに乗って熊坂の家の前まで行く。

 そこで、大きな田舎家で、ポツネンとオートバイを修理している孤独な熊坂をみる。そこで陸夫は決断する。誰が何と言おうと熊坂にはずっと働いてもらおうと。

 たくさんやってくる年老いた常連客の真実の姿が見えてくる。

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| 古本読書日記 | 05:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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