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貫井徳郎    「崩れる」(集英社文庫)

結婚にまつわる情景を描く、八つの短編集。

どの作品も、よくある出来事だと思う情景が描かれてはいるが、それでこれで決めたぜという貫井のフィナーレが無く、どことなく尻つぼみの作品ばかり。

 36歳の片桐。会社ではそれなりの仕事も与えられ存在感もあるのだろうが、未だ独身。
このままではまずいと思い、女性を紹介する結婚相談所に登録する。

 最近は結婚相談所に登録している人たちは増えているが、紹介して交際に至る割合が殆ど増えていない。
 たいがいは、女性が紹介された男性との交際を断る。
男性が殆ど女性とのつきあいの経験が無く、おいつめられて結婚相談所に登録する。だから、付き合い方、女性との会話の仕方が全くわからない。

 それで相談所では専任のインストラクターを置き、女性との話し方からはじまり、付き合い方まで指導する模擬実践を行う。模擬実践は35万円。高額だけど、申し込む男性が後を絶たない。

 片桐はインストラクターの千秋と向かい合う。そして聞く。
「趣味は何ですか」と。
千秋が言う。
「そんな堅苦しい雰囲気ではだめです。肩の力を抜いてください。」
そんなこと言われても、今までに女性に相手をしてもらったことなど無いからとても難しい。

 何しろ、こんなことも含めて、色々こうしたらということを千秋が助言すると、一生懸命ノートにメモをとるのだから。インストラクターもいやになる。

 それで、最後には、千秋こそ今まで求めた自分のための女性と片桐は思い込んでしまう。
交際ができない、中年男性の切なさが物語全般を覆う。

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| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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