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土屋賢二   「年はとるな」(文春文庫)

毎度の週刊文春コラムを集めたエッセイ集。

老化現象が始まったなと思うのは、物忘れが現れだしたとき。特に、人の名前がまずはでてこなくなる。

 あいつ、何て名前だったけ。変だなあ仲良かったのに。顔を浮かぶのにとんと名前がでてこない。ああだ、こうだと半日、頭の体操をして、やっと名前が浮かぶ。よかったでたー。と安心して、コーヒーを入れる。お湯をそそいでいるとき、そういやあいつ何て名前だったっけとなる。こんなことがしょっちゅう、暗澹となる。

 老化での物忘れでなく、恐怖のあまり名前がでてこなくなるというときもある。

「ほら、あの目つきが悪くて鼻が低くて色黒で、オオカミの顔をつぶしたような威嚇的な顔をしているのに、内面は絶対に顔にでると言い張り、胴長短足で、険悪な雰囲気で俺の前にすわっている女」
 こんな風に言ったら、妻は大激怒するだろう。

名前が出てこないのもまずいが、普段行うことの言葉がでてこなくなると本当に大変だ。
「食べる」という言葉が浮かばなくなる。それを懸命に表現する。
「えーと、ほら、体内に口から入れて咀嚼して嚥下する動作があるだろう。それ、日本語で何て言うんだっけ。」

 私はここまではいってないけど、いつかこんなになっちゃうんだろうか。ブルーだな。

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| 古本読書日記 | 05:58 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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