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貫井徳郎    「鬼流 殺生祭」(講談社文庫)

徳川時代はキリシタンは禁教令で厳しく取り締まりが行われていた。それで、明治維新により信仰は自由になり、キリスト教信仰は自由になったかと思われるが、明治政府もキリスト教は邪教として禁止していた。

このため明治になり長崎浦上天主堂にキリシタンだとカミングアウトした人々を、明治政府は厳しく弾圧した。弾圧、拷問は明治政府のもとで行われ、転向を強制し、多くの人々が政府により殺害された。

 岩倉具視使節団が、不平等条約の撤回のために使節団としてアメリカ、イギリスをまわったが、切支丹を弾圧するような野蛮な国とは対等な外交はできないとして、使節団の提案を拒否、何の成果もないまま使節団は帰国する。その結果明治政府は切支丹禁教令を廃止した。

 切支丹は、当初は純粋なキリスト教として拡がったが、禁教令により布教者がいなくなり、日本固有の神社信仰や、祖先崇拝とキリスト教が結合して、本来のキリスト教とは全然異なる、新たな切支丹教が生まれることとなった。

 これら新たな切支丹が、それぞれに宗教集団をつくる。これが隠れキリシタンと言われるようになる。これらの宗教集団は外部の人々を受け入れることを徹底拒否する。結果、自分たちだけで近親婚姻をすることが戒律となる。

 もうひとつこの物語のトリック。密室殺人事件と、外部から侵入した人間しか殺人を犯せないという矛盾した2つの事件が起こるが、殺人は関係者しかいない状況。貫井が得意とするトリック。関係者全員が誰が犯人かわかっている。しかも、集団でその犯人を匿うような言動をする。こうなると、犯人をみつけるのは難しい。

なんとなくトリックとしては、邪道な思いがする。

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| 古本読書日記 | 06:02 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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