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貫井徳郎   「天使の屍」(集英社文庫)

  大人の子供にたいする考えとこの小説に登場する中学生の子供たちの考えには大きな隔たりがあり、互いに決して交じり合えないということを貫井は言いたのかなと思う。

 中上流家庭に育つ中学2年生の優馬が突然隣のマンションから飛び降り自殺をする。死体解剖すると遺体からLSDが検出された。父親青木は、担任の光岡先生に優馬の友達を紹介してもらい、一人一人を訪ねて、優馬の日頃の行動や自殺を予兆することがあったか聞き出そうとするが、あしらわれてとても会話にならない。

 そんな時、郵便受けに封書が送られてくる。そこには一枚の写真。何と成績優秀、品行方正だった優馬が全裸の女性にまたがってあえいでいる姿が写っていた。そしてその夜100万円と引き換えにネガを渡すという脅迫電話がはいる。

 それと同時に、圭輔と友達だった中学生が次々と自殺をする。一人を除いてやはりLSDが検出される。

 自殺前、永井という子を除いて、自殺した子の成績が急激に堕ちていることがわかる。

 そして、両親が不在がちな永井の家に女の子を引っ張り込み、LSDを飲み、セックスに永井以外の中学生がふけっていたことがわかる。LSDは集中力を減退させる作用があり、勉強ができなくなるようになる。

 永井は成績の良い同級生をLSDと女の子でたぶらかし、しかもその様子をビデオにとり、中学生を恐怖に陥れ、自分の成績を相対的によくすることを目論んでいたのである。

 大人からみて、最近は動機不明の事件が多い。私のような鈍感な大人に中学生はここまでやるのだということを貫井は言いたいのだろうが、鈍感で申し訳ないが、どうも私には現実感がわいてこない。

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| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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