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ジョン・アーヴィング   「ウォーターメソッドマン」(上)(新潮文庫)

何をやっても中途半端。身体は大人でも、思考は子供のままの主人公フレッド。

尿道が曲がりくねっていて、小便をするたびに激痛をともない、性交のたびに感染症に患ったりする。それで、かかりつけの医師にいわれ水療法をする。小便をしたり性交する前と後に大量の水を飲む。これがタイトルになっている「ウォーターメソッド」ということである。

 物語は、現在から近い過去に遡るかと思えば、ずっと昔に戻ったり、それがアットランダムに繰り返す。主人公フレッドが主語で物語は展開するが、それが僕だったり三人称だったりして、気持ちを込めて読まないと、かなり頭が混乱する。
 しかし、肩の力を抜くと、ユーモア満載の青春物語で、それぞれの章は結構楽しく笑いを道連れにして読むことができる。

 ウィーンに一緒に行った糖尿病の友達メリルと酒場で語り合う内容のしつこい表現は常識の枠を超え、どうしてこれほどに描くのか不思議で異彩を放つ。
 「メリルいろんなことを思う存分喋った。
国際スポーツ競技、ヒエロニムス・ボッシュのこと、ウィーンのアメリカ大使館の機能、オーストリアの永世中立。ユーゴのチトー大統領の素晴らしい成功。ブルジョアジーの驚くべき勃興、更にゴルフのテレビ中継はいかに退屈か。ハリング氏の口臭の原因は何か。ここのウェイトレスはなぜブラジャーをしているか。彼女はわき毛を剃っているか毛深いか、誰がそのことを彼女に聞くか、あるいはまたスリヴォヴィッツのチェイサーにはビールがいいかどうか、ボストンのセントベリット社のラジアル・タイヤの値段、ドアの側に座っている男の顔の傷はどうしてできたのか、チターは全くくだらない楽器だということ、チェコ人はハンガリー人より創造的かどうか、古代低地ノルド語は如何に阿保で未発達の言語か、アメリカの二党政治は如何に現代にあってないか、
新しい宗教を設立することの問題点、聖職者が権力をもったファシズムはナチズムと殆どちがいがないのではないか、ガンはなぜなおらないのか、戦争はなぜ避けられないのか、人間はどうしてこう愚かなのか、女の子をひっかけるのにはどの方法がいちばんか。」

 ここまでしつこいと、あきれかえって思わず笑ってしまう。

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| 古本読書日記 | 06:25 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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