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三浦しをん   「まほろ駅前狂騒曲」(文春文庫)

  東京南西の近郊、まほろ市の駅前で便利屋を営んでいる多田、そこに居候をして多田の手伝いなのか足を引っ張っているのかわからない行天の名コンビが引き起こす騒動シリーズの完結編。

 今回の作品、行天と別れた妻三峯凪子の4歳の娘はるを便利屋で預かる。行天は虐げられていた子供時代がトラウマになり、子どもが大嫌い。しかもはるは行天の実子だ。

 更に新興宗教団体「声聞き教」を主体にできあがった無農薬野菜を生産販売する団体HHFA。
この野菜を市内学校給食に販売しようとする暴力団星。

 これに、横浜中央バスが間引き運転をしていると信じて疑わない岡老人が入り乱れる。

 HHFAの無農薬野菜が、星の依頼で多田、行天が調査すると、夜間に農薬をまいていることがわかる。無農薬野菜でないことが判明。
 HHFAはまほろ駅前で、朝収穫した野菜を、子どもを使い販売する活動をしている。無農薬野菜でないことを知った星は怒り、HHFAの駅前販売を阻止するために、多田に依頼して、販売場所で風俗の看板を持って邪魔をさせる。

 さらに、間引き運転をすると思っている岡老人が、箱根旅行と偽って集めた近所の老人たちをバスに乗せた瞬間に「横浜中央バスに抗議にゆく」と宣言してバスジャックをする。しかも、このバスに間違えて行天と娘のはる、それに、強制無農薬販売をさせられている子供祐弥が乗ってしまう。このバスがまほろ駅前にゆく。

 それでまほろ駅前で、多田、暴力団、HHFA、更に岡老人ひきいる抗議老人たち、そして行天、はる、裕弥がくんずほぐれつの大騒動となる。そして、襲われそうになったはるを守るために立ちはだかった行天の小指がHHFAの大木によって切り落とされてしまう。
 ここが物語の最大の場面。

 更に、行天が市民病院に連れていかれるが、病院を飛び出て、事務所に戻ると、多田と地元の食堂「キッチンまほろ」の女性社長亜沙子2人でいる。それで、居候の行天が事務所を去る。

 行天など仕事の邪魔をするだけで、いつも出て行った欲しいと思っていた多田が、行天のいない寂しさをしみじみ感じ、戻ってきてほしいと願うところもぐっとせまってくる。しかし、行天は失踪していたとき、亜沙子の食堂に身を隠していたことが、発覚する。このどんでん返しがたまらない。

 多田、行天はもちろんのこと。他の登場人物も実に個性的で生き生きと描かれる。本当に面白い。これで完結するのは実に惜しい。

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| 古本読書日記 | 06:21 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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