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佐川光晴    「大きくなる日」(集英社文庫)

横山家の家族を中心として描く9編の連作短編集。

横山家は誰からも好かれ人気者である太二、4歳年上で優等生の姉弓子。看護師として働く母。それに会社の第一線で多忙な日々をおくる父の4人家族。物語は太二の卒園式から中学校卒業までの家族の日々を描いている。

 最後の部分、母が自分の人生についての想いが印象に残る。
「お父さんは自分の生き方に自信を持っている。弓子も太二もそんな父親につづこうとしている。それならわたしはどうなのだろう?わたしは、お父さんが転職したからフルタイムで働いているだけではないのか?
『そんなことはありません。わたしはわたしでがんばっているんです。』
強がってみても、自分が夫や子供たちに比べてみおとりがするようで、仁美は深夜のナースステーションでため息をついた。

 日々、何かが当たり前のようにして起こる。横山家も例外ではない。
父親が部長の職を捨てて、突然豆腐屋になってしまう。姉も中学のとき家出をする。サッカー部のエースの退部問題。受験での母親間の軋轢・・・。

 それでも、起こった問題を避けずに、家族が前向きに立ち向かう。それを母親仁美が支える。そして、みんなが一歩ずつ成長してゆく。お母さんそんなふうに思うことはないよ。

 簡単にみえるが、母親の想いをさらりと表現できる佐川に感動する。

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| 古本読書日記 | 05:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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