FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

矢月秀作     「烏の森」(角川文庫)

 私の知り合いにどうも胡散臭い元市会議員がいる。この人、県会議員にもなったことがあり、時々県会議員をやめ、市長選に立候補する。うさん臭さが知られているのか、ことごとく落選して、今は元○○の称号で暮らしている。

 この人、大きな公共事業があると、必ず首を突っ込み、その都度金をたくさん奪い、ぜいたくな暮らしを拡げてゆく。酒を飲んだとき、どうやって金を手に入れるのか酔った勢いで聞いてみたが、笑ってごまかされた。

 この物語は、まだ未開発の西新宿の一角を金持ちの子供を入学させる御田園学園グループが開発して、学校を創立。西新宿を学園街にするという計画を都で進めさせようと画策することを描く。

 この計画実現に滝本という有力な国会議員、坪内という都議会議員が精力的に動く。更に裏方として暴力団のフロント企業である保岡工業の社長、保岡が暗躍する。

 政治家というものは、こういう利権に群がるものだという通常概念があるが、よく考えるとそれが彼らにどんなメリットがあるか、即ちここからどのようにして合法的に金を奪取するのかがもうひとつわからない。御田園グループから計画実現に伴い現金で、政治家や暴力団に謝礼が渡されるということなのだろうか。

 このカラクリが説明されないと、読んでいてしっくりこない。

物語では滝本の息子が、苛めで三並という同級生を殺害してしまう。これを、新宿烏の森の借家に住み付いた住人たちが真相を追い、学園創設計画に込められた悪にたどり着く。ということは、滝本のバカ息子が引き起こした事件が無ければ、悪は実現していた。森友や加計学園もこういった政治家や裏の世界がしゃぶりつくように悪が存在していたのだろうか。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 06:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT