FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

宮木あや子    「野良女」(光文社文庫)

桶川の彼氏はとび職人である。もう付き合って一年になるが、一か月もたたないうちに、彼は暴力をふるうようになった。それまでに15人の男とつきあってきたが暴力をふるわれなかったことは一人もなかった。

 ここから桶川の暴力をふるう男の分析が、偏見ではないかと思うくらいの内容。
・家庭の事情が複雑
・中卒、もしくは高卒。高卒にもならず中退
・肉体労働者
・上下関係の厳しい会社
・無口

そして桶川は言う
「だいたいね、無口な男なんて、喋るほどの知識がないんだから無口なだけなんだよ。で、女の方が知識があればそれが気にいらなくて殴るの。職場の上下関係が厳しければ、さらにその職場において、彼が下っ端なら、鬱憤がたまって殴るの。肉体労働者はコミュニケーションが肉体だから殴るの。中卒とか高卒とかも、とりあえず文化として殴るの。」

 主人公の朝日30歳は、合コンで29歳の畳職人としりあい、その朴訥さに今までにつきあった男性と異なることに憧れ恋人になる。

 ある日、初めて彼のアパートにでかけこっそり侵入する。
買ってきた肉をいれようと冷蔵庫を探したが無い。それで再度部屋を見渡す。驚くことにテレビもないし、電子レンジもないし、洗濯機もなかった。そして電話機もパソコンも無かった。生活のインフラになるものが何も無いのである。

 あるのは見たことのあるジャケットとジーンズ。それも焼けた畳の上に投げ出してある。後は布団だけが敷いてあるだけ。

 何だか、見てはいけない現実が世の中にはあるのだということをこの作品で知り少し暗澹とした気持ちになった。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ



| 古本読書日記 | 09:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT