FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

楡周平    「ターゲット」(角川文庫)

北朝鮮の核開発の進化を目の当たりにするに連れ、疑問が深くなることが2点いつもつきまとう。

 北朝鮮はいつも敵はアメリカであり、グアムでもアメリカ本土にむけてもアメリカにむけ攻撃できる武器をすでに開発が終了し、いつでも撃てる用意ができていると宣伝する。

 しかし、殆どすべてのアメリカ人は、遥か遠い北朝鮮から、核弾頭が飛んできてアメリカ本土を攻撃できるということなど全く信じていることは無い。しかし、日本、韓国は結構深刻な状況にある。北朝鮮はいつでも、この2つの国に核弾頭を撃つことはできる。
 この状態で、日韓が同盟国だからといって、北朝鮮から攻撃されたらアメリカは本当に日韓を守るため北朝鮮に攻め入るだろうか、大いに疑問が残る。

 もし、アメリカが北朝鮮に上陸した場合、戦費はセルビア攻撃でも一日1億ドルもかかったが、北朝鮮との戦いではその2-30倍はかかるらしい。更に21万人の戦闘員が上陸することになるが、結果4-5万人が犠牲になることになる。アメリカが北朝鮮から攻撃される可能性を殆ど信じていないアメリカで、日韓のために莫大な戦費を使い、アメリカ人の犠牲者が多く発生する戦争をアメリカ大統領が決断できるとはとても思えない。

 そして、もし北朝鮮が崩壊したら、何が変化するのだろう。日本の米軍駐留基地は、大戦後、ソ連を仮想敵国として設定し、ソ連の攻撃から日本を守るための目的で存在してきた。そのソ連が北朝鮮に代わり現在の駐留の根拠ができている。

 北朝鮮が崩壊した場合、果たして、中国、ソ連を敵国として日本の米軍駐留が正当化できるのだろうか。アメリカ軍の日本駐留が継続できるのだろうか。そんな疑問がこの物語では語りかける。

 それから、生物化学兵器とは、その即効性が最も優先する目的として開発されてきた。しかしこの物語では、即効性ではなく、長い時間をかけ発症させ、確実に死に至る兵器が北朝鮮によって開発される。1年から30年位かけ、菌をばらまかれた国は人々が感染しなくなり国が死滅してゆく。恐ろしい発想の転換である。これは楡の妄想なのか、それとも現実に開発されているのだろうか。背筋がゾクっとする。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 06:25 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT