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朱川湊人     「月蝕楽園」(双葉文庫)

ホラーの雰囲気に纏われた恋愛小説集。

主人公の春山は、猿そっくりの顔でちび、しかも母親が一回浮気したことで父親が毎日責めたて、それに耐えきれず小学校5年のとき首吊り自殺をする。高校をでて家電量販店で働いたが、営業などとてもできず、事務仕事も失敗続きで、耐えきれずプレス工場の工員に職替えする。

 月給も安いし、仕事も単調。こんなところに何年も勤めてはいけないと言いながらどんどん人はやめてゆく。しかし春山は今の仕事は相手は人間でなく機械。人と接触する必要はなく、アパートに帰っても一人で、やっとわずらわされない暮らしが実現したと満足している。

 そんなある日、昼食中に松田と言う工員から声がかけられる。この松田も皆から浮いている。なにしろ一流大学卒なのにちっぽけなプレス工場で働いているのだから。

 しかし、そんな松田と春山はうまがあい、時々飲みに行くようになる。そんなある日、松田と飲んでいると、松田の中学の同級生の犬飼が現れ一緒に飲むことになる。犬飼は尚美という女の子を連れていた。松田と犬飼は積もる話があるということで、春山が自転車で尚美をアパートまで連れてゆく。尚美が部屋にあがってゆくように言う。

 春山は今まで恋愛はしたことはなかった。躊躇はしたが部屋に上がる。互いの話をするうちに2人は恋愛関係に陥った。

 ある日、春山が尚美の携帯に電話をすると、犬飼がでる。犬飼は「俺の尚美に手をだすとはどういうことだ。150万円だしたら尚美をくれてやる」と言う。春山がとてもそんな金は無いと懇願すると、犬飼にとって尚美などどうでもいい存在だったのだろう、20万円でいいという。

 20万円をもって犬飼のところにゆく。犬飼はそのときプレゼントと言って袋をくれた。そこにはDVDが2枚はいっていた。1枚目は尚美が本番をしていた。2枚目は8人の男に輪姦されていた。

 それから尚美は好きなのだが、SEXがうまくいかなくなった。その後、犬飼から尚美は10人子どもを堕したと聞く。しかも、尚美が中学のときに松田も2人子どもを堕させたと知る。それでも、春山は尚美を愛していた。

 そして、包丁で犬飼と松田を刺し殺す。
警察に逮捕されたとき、自分も死んで猿になり猿の尚美と森の中で幸せに暮らしたいと言う。切ない物語だ。

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| 古本読書日記 | 09:32 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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