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楡周平   「猛禽の宴」(角川文庫)

指導力も包容力もないのに、策略や偶然でアメリカの黒幕社会のボスにのし上がったコジモを朝倉とギャレットでタンパ近くの別荘を襲う場面は迫力もあり、痛快で面白い。

 だけど、その前提になるところがどうも疑問が残る。
朝倉が日本の通関システムの盲点をつき、経費をあまりかけずに、日本でコカインを売りさばき上部組織のアメリカマフィア頂点にたつファルージオに称賛されるそのシステムの内容が納得できない。

 アメリカに暮らす日本人に組織を通じて近づき、コカイン中毒者にさせる。この日本人が日本に帰国する。絶対にどこの組織からコカインを入手したかを秘匿にさせ、彼らを通じてコカインを日本で拡販させる。

 そのコカインをアメリカで輸送する途中で、荷抜きがあったと輸送をとめさせ、コカインを荷積みする。それを日本に運送するが、「通関保留」とさせ、通関する前までに密かにコカインの入った貨物を抜き出し正規の貨物に入れ替える。

 この「通関保留」という状態が正常行為として作れるのかということが本当なのかと疑問を持ってしまう。これが盲点なのだと楡が言い切るのに無理があるように思えてしまう。

 それから、軍の廃棄物処理センター(DRMO)。米軍というのは、武器の技術を開発したり、武器を作るところは秘密のセキュリティが確立されているのだが、廃棄については制限が厳しくなく、いくらでも勝手にDRMOに捨ててしまう。そこは先端技術、先端武器の巣屈。そこから、先端情報技術や武器そのものが敵国に武器商人を通じて、北朝鮮や中国に流れている。

 ここも実感がわかない。本当に廃棄場所がいいかげんな管理になっているのか。そして武器職人がアメリカでどういう活動をしていて、DRMOのどんな人物から先端情報、先端武器を入手しているのか、そこにつっこまないと、どうにも物語がうそっぽくなってしまう。

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| 古本読書日記 | 06:21 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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