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楡周平    「クーデター」(講談社文庫)

日本海でロシア船が爆発炎上。それに、近くを航行していたアメリカ原子力潜水艦が巻き込まれ、何人かの犠牲者もだし、航行不能となる。

 これと並行して、新興宗教団体の「龍陽教」の教主の篠原天祐がクーデターを起こし政府を転覆し,日本の権力につこうという動きが進行していた。

 天祐はロシア、アメリカ船舶航行不能事件をクーデターにもってこいの事件として利用する。石川県木浦市にロシアから密輸して集めておいた武器を使い、木浦市を襲う。木浦市には原発があり、これが破壊されるととんでもない大惨事となる。それを恐れて多くの市民が金沢を目指し避難しようと走り出す。

 天祐は船舶航行不能事件を北朝鮮がしかけたように見せかけたのだ。

そして天祐は、その翌日、東京でアメリカ大使館、警察庁を爆破させる。最後には国会議事堂を爆破し、議員を殺そうとする。それらは、すべて北朝鮮の攻撃と思わせ。破壊のあと、北朝鮮に対峙する救世主として日本に君臨することを目論む。

 この作品、爆破場面、さらにその爆破のなかをくぐりぬけ真相を摑むカメラマン川瀬の活躍はそれなりに面白い。しかし、「龍陽教」の天祐の日本を何故転覆せねばならないのか、そしてどんな国にするのかが深堀されていないため、クーデターの実感がわかない。

 それから、破壊場面ばかりで、木浦から逃走する群衆。警察庁やアメリカ大使館爆破により起こる都内の状況が殆ど描かれていないので、実に現実感の無い物語になった。

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| 古本読書日記 | 05:50 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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