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伊坂幸太郎  「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)

それぞれに関連がある仕掛けはあるが、一見無関係な6作品の連作短編集。バラバラな作品が最後に一つに結集する、それが見事。まさに伊坂マジックを楽しみ、満足感に浸れる。

 美奈子は美容院で働いている。彼氏はおらず平凡な日々を送っている。板橋香澄という常連の客がいる。この香澄から、弟の学とつきあってみないかと持ち掛けられる。

 ここにテレビの恋の告白番組の話題がはいる。ボクシング選手がいる。今度の試合で勝ったら彼女に「好きだ」と告白すると。そんな、負けたら告白しないなんて恋じゃあないじゃん。

 香澄は美奈子に携帯番号を教えてもいいかと問われ、いやだと断る。香澄の弟は、半年前に彼女と別れていて今はフリー。結構気が弱そうで何かあるとすぐ平謝りをする。この前も往来で酔っ払いに絡まれて平謝りしたばかり。

 そんなある日、美奈子に香澄の弟学から電話が突然かかってくる。香澄が「美奈子が学に用事があるから」と言ったから。何だか気分がもりあがらない時にゴキブリが美奈子の前に現れ、悲鳴をあげ、電話をきる。

 そこから、電話だけの関係が始まる。学は事務職がつまらないから、職をやめようかと思っていると美奈子に告げる。そして確かに事務なんて平凡な日々の繰り返し、美奈子もその気持ちはわかると思う。

 香澄に誘われ、香澄の家にゆく。そこで、ボクシングのヘビー級で日本人挑戦者ウィンストン小野のタイトルマッチを見て最高に興奮する。

 そして驚くことに、このウィスントン小野が香澄の弟学だと言うことを知る。
事務職は事務ではなくジムだったのだ。伊坂の強烈なユーモア。

 このウィストン小野が全短編にわたり、登場し、連作を支える。また小野同様に斎藤さんというへんてこな人も登場する。悩みを告白すると、自らの作詞した歌詞のフレーズを歌い上げる。これが、内容はよくわからないのだが、告白者が必ず癒され安心する。

 平凡な人生を送っている少し変わった人々にちょっぴり変わった出来事が起き、日常が揺さぶられる。人生なんてそんなへんてこな経験の積み重ねさと伊坂が表現する。

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| 古本読書日記 | 05:52 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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