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獅子文六    「胡椒息子」(ちくま文庫)

土曜日、小学校の同級会が開かれ、故郷まで行ってきた。あまり小学校の同級会など開くところは無いとおもうが、たまたま先生が92歳でご健在。その先生の存在が同級会となって継続している。

 私など、小学校での思い出など全くといって無いのだが、集まると結構、あのこと、このことと詳細に出来事を覚えているひとがいるものだと感心する。今はいじめで、仲間から排除することに力が注がれているように思えるが、思い出話を聞いていると、子供時代はむしろ可哀想な子、意地悪されそうな子に、目いっぱい仲良くしてあげて、励まし支えてあげることが子供たちの最も強い心、行動であったように思える。だから、孤独だ、寂しいと思う子はいなかったのではと思う。

 この作品の主人公、昌二郎は12歳。上のお兄さんと、お姉さんから少し年が離れている。父親は大会社の専務。それで、妾をかかえていて、母親とは冷たい関係にある。父親もあまり家には帰宅しないが、母親も、その反動で外で遊び歩いている。

 昌二郎は、上の兄姉からも邪険に扱われ、母親からも差別的扱いを受けている。頼りは優しいお手伝いの民婆やだけ。

 あるとき、昌二郎は、自分は父親が妾に作らせた子で、上の兄姉とは母が違うことを知る。
それから、このことを兄、姉も知り、兄姉から「芸姑の子」「妾の子」と蔑まれ、完全に排除される。それに怒った昌二郎が兄と喧嘩をして、兄を傷つける。

 母親が怒り狂い、昌二郎を追い出し、感化院に入れてしまう。感化院では、辛い日々にはたからみれば思えるが、ゴンズイという喧嘩っ早いが、気持ちの真っすぐな子と親友になり楽しく過ごす。

 その後、お手伝いの民が重病になり、民の家で民を支えて頑張って暮らす。最後には元の家に戻るが、その間決して暗い生活はしていない。

 この物語を読むと、子供たち、或いは人間と広げてもいいかもしれないが、血のつながりではなくて、支えてくれる人がいるかということが生きて行くうえで大切なことだとわかる。

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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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