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湊かなえ   「豆の上で眠る」(新潮文庫)

主人公結衣子が小学校一年生のとき2歳年上の姉万佑子が突然失踪した。両親、警察が懸命に捜索したが、行方がわからず2年がたち突然万佑子が帰ってきた。
 しかし、結衣子はそれがどうしても姉とは思えない。20歳になった今でもその疑問が消えない。

 おかしいと思うのは、ローラースケートで転倒してできた目のまわりの傷が無くなっていたこと。それから、厳しくしつけられた箸の持ち方、動かし方ががさつなことなどから。

 それを払しょくするため、DNA鑑定が行われ、その結果99%の確率で結衣子の姉であることが証明された。ただ、このDNA鑑定も、それが行われた90年代は、技術が確立されておらず、DNA鑑定という言葉もあまり流布していなかった。それも、結衣子には姉ではないと疑う背景にあった。

 それにしても、DNAが姉妹と規定しているのに、何で姉万佑子とは違うように思えてしまうのか。

 この真相が最後の章で語られる。もともと姉だとしていた万佑子が、実は両親から生まれたこどもではなくて、失踪から戻ってきた子が姉だったのである。

 DNAが99%姉妹と証明しているにも拘わらず、帰ってきた子が姉万佑子とは異なることが、じわりじわりとあきらかにされる。幾つかの矛盾はあるにしても、記憶喪失から解放されてきた、姉の話が結構、結衣子の子供時代の記憶と重なるところも多い。

 このじわりと記憶の重なりがどろどろと色なすところが不気味な雰囲気を醸し出す。ここが湊小説の特徴なのかと思った。

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| 古本読書日記 | 06:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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