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池内紀  「東京いいまち一泊旅行」(光文社新書)

「演劇グラフ」という雑誌がある。演劇関連雑誌はあまり売れないとの定評がある。しかしこの雑誌、カラーグラビア満載、総力取材特集、劇団紹介、演劇トピックス、劇場ニュース、あいまにインタビュー、対談、聞き書き、評伝、見聞録、読者投稿。綴じ込みピンナップもついている。全国の公演案内が一覧になっていて、どこで何をやっているかが一目でわかる。
 で、発行元はとみると香川県高松市の出版社となっている。

この雑誌には、菊五郎や玉三郎、勘三郎は登場しない。松たか子も登場しない。限りに無く彼らに似ている役者が登場する。

 私の小さいころにも大衆演劇があって、よく公民館で巡回公演をやっていた。
舞台装置や小道具など極端に少なく、劇や歌謡ショーなど、全く変わることの無い垂れ幕一つで行われていた。

 一番前に座っているおばあさんたちが、弁当を持ち込み劇などそっちのけでパクついたり、煎餅をパリン、パリンと音をたてても、役者は動揺することなく一所懸命演じていた。

 昼夜2回興行でスタッフが少ないため、主役の役者が、舞台装置を据え付けたり、メーキャップを自らしたり、衣装替えをしたり、一人で何役もこなす。時には、おせんやキャラメルの売り子までしていた。

 おばあさんが足を伸ばし、そこにタオルをかけて、「さざんかの宿」を役者と一緒に歌う。そんな観劇スタイルが板についている。

 こんな大衆演劇の街がまだ東京の下町には残っている。

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| 古本読書日記 | 06:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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