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馳星周    「不夜城完結編 長恨歌」(角川文庫)

どうもすっきりしない。主人公の武基裕満州生まれ。田舎で、蔑まれた生活脱却を目指し、日本にやってきて新宿にどっぷり。戸籍を偽り残留孤児として日本人として振舞うが、生粋の中国人。現在は、中国マフィアの最下層で、麻薬を売ったりしてやっと糊口をしのいでいる。

 満州をでるとき、ずっとお兄ちゃんと慕い、まとわりついていた小文に「必ず迎えに来るから」と約束した。

 そして、12年後、クラブホステスをしていた小文と武は再会をする。武はずっと忘れていた、故郷をでたときの小文との約束を思い出し、それを果たせなかったことの悔恨の強さに、小文を絶対何があっても守ると誓いをたてる。

 一方小文は、新宿の中国マフィアの黒幕に売られ、その後錦糸町を制している徐鋭に売られていた。小文も、新宿に流れ、春をひさいでその日を暮らす、辛い生活をしている。だから12年前の武との約束などずっと忘れていた。

 2人ともどん底の生活をしてきて、それが何とか耐えられたのは、12年前の強い約束ということが2人の背景にあるのなら、それからの壮絶な殺人事件の数々が発生しても愛を貫こうとすることは理解できるが、まったく思い出すことも無かったほどの約束が、2人特に武の行動を縛るところは、それはないだろうと思ってしまう。

 また、物語の重要なキーとなる、割符というものがよく理解できなかった。一万円札が半分にちぎられている札束。これが地下銀行の印鑑に代用される。この割符を持っている人が組織の頂点にたって、権力をふるうことができる。この割符の争奪戦が物語の軸をなしているのだが、それがなぜ権力を持つ印となるのか、それらしき説明は少しはでてくるが、どうにもまともに信じることができない。

 馳の作品はどれも大長編。かなり飽きてきた。

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| 古本読書日記 | 05:52 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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