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垣根涼介  「真夏の島に咲く花は」(中公文庫)

元々住んでいた原住民であるフィージー人。そこにインドからの移住人。更に中国人。そして日本人が暮らすフィージー。

 着るものには困らないし、食べるものは自然からいくらでも手にはいる。こんなところでは楽しく愉快に生きよう、それを実践してきたフィージー人。ここに経済システムが持ち込まれ、知らない間にフィージー人が下位に位置付けられ、彼らを移住してきた人たちがコントロールする国になってしまった。

 この国で、反政府勢力により、大統領を含めて大臣を人質にして立てこもるクーデターが発生する。首都スバでは、暴徒が商店を襲い、商品を強奪するという事件が頻発する。

 反政府軍と政府とのにらみあいは膠着する。そのまま50日にも達する。反政府軍は、民衆の共感があまり得られず、段々追い込まれる。

 それで、人質を解放する条件として、反政府軍の罪は問わないことを提示。これを政府が全面的に受け入れ人質は解放される。

 人質の犯人は、犯罪者である。彼らが罪を問われないというという事態。外からやってきてフィージー人を押さえつけている人々に対して、理屈ではなく、ひとりよがりな感情がフィージー人に火をつける。

 中国人がやっている質屋に、ネックレスが持ち込まれる。それを担保に質屋が60ドルを貸し出す。そのネックレスを取り戻すため品物が流れる前に、借りたフィージー人50ドルを質屋に差し出す。質屋は当然品物は返さない。これにフィージー人は、質屋はフィージー人を馬鹿にしているとして、質屋を襲う。人質をとったって、罪には問われないのだからと。

 国、人々の置かれている立場というのは複雑で、皆、自分こそは正義だと思い示威を誇示しようとする。難しい時代に突入するようになってきた。

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| 古本読書日記 | 05:50 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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