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馳星周   「9・11倶楽部」(文春文庫)

消防士だった織田は、地下鉄サリン事件で妻子を失う。それを契機にして、人命を救う使命感のもと、救急救命士に転身する。

 2004年、石原都知事の命令で、歌舞伎町浄化作戦がスタートする。暴力団や非合法な性風俗店の摘発や、不法滞在外国人の追放が行われた。長期間不法滞在する外国人は当時多数いて、たくさんの、不法滞在外国人の間に生まれた子供も多くいた。

 親は故国に強制送還されたが、国籍の無い子供たちが日本に残された。

 織田が路上に倒れていた少女を助ける。この少女笑加は、国籍の無い子で、同じ境遇の子たち7人でアパートの部屋で暮らしていた。

 この笑加が再生不良貧血という放っておくと白血病に至る病気を抱えていた。適切な治療と薬が与えられれば、治癒する可能性は高いのだが、日本国籍も無いし、保険にも入っていない。治療費は 600万円半年にかかる。

 学校にも行けず、日給の安いアルバイトで凌いでいる少年、少女。それだけでも、理不尽なのに、医療費が払えないため衰弱してゆく少女がいる。

 この少女を助けなくてはと、織田は中国マフィアに近付き、高額な仕事をくれるようお願いする。それが、織田の堕ちてゆくきっかけとなる。

 最初は、麻薬や、銃を運搬する仕事をする。そして、最後には殺された死体を運ぶ。

 これをきっかけに、マフィアの抗争に巻き込まれ、織田自身も人殺しに手を染めるし、7人の子供の一人が殺されるし、重傷を負う子もでてくる。

 警察の手がのびてきて、織田と子供たちは極限に追いつめられる。それで、最後には子供たちを追いつめた都庁を爆破することを計画する。

 読むにつれ、子供たちと織田に気持ちが取り込まれて、何とか都庁爆破が成功してほしいと知らないうちに私は願っている。

 織田が逮捕される。車で連行される途中、都庁がでかい爆音とともに大きく揺れ出す。

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| 古本読書日記 | 05:51 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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