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有栖川有栖    「江神二郎の洞察」(創元推理文庫)

京都にある英都大学法学部に入学した主人公の有栖川有栖が、27歳で未だに大学生である江神二郎が部長をしている英都大学推理小説研究会(EMC)に入部。そこで起こる数々の事件を部員である織田や望月と推理しながら、最後は江神探偵の名推理により解決する有栖川の名探偵江上シリーズ誕生から9編を収めた短編集。

 中には殺人事件もあるが、軽微な出来事も収録されていて、学生生活のリアルさも発揮された楽しい小説集になっている。

 最初の作品の「瑠璃荘事件」のアパートの2階の電球が点滅してきれそうだったのが、講義ノートが盗まれたとき、電球が変わり、点滅しなくなる。この電球誰かが、気が付いて新しい電球を購入してはめたはずなのだが、それだと盗みをした該当者がいなくなる。

 どうしてこれが解決されるか。実は1階の電球を2階と入れ替えをしただけ。単純だけど、盲点をつくトリックである。

 古書店「文誠堂」店主の溝口。一人娘を交通事故で亡くし、妻も病気で他界する。この溝口が、自分の土地相場5000万円するものを1000万円で手放してから、生活態度が豹変する。

 購入者の学生に対し、古書をどれでもただにする。居酒屋に時々現れ、知り合いの客の分を全部支払う。そして、とうとう推理小説研究会のメンバーが食事をしていた中華料理屋に居合わせ、そこで食事をしている全員の費用を持つ。

 流石にこれはおかしいと江神が聞き込みや、溝口の家のまわりの隣家や、駐車場の配置を調べ、週末の土曜日に事件が起きると推理し研究会メンバーが張り込みをする。

 溝口は隣家とずっといがみあっていた。娘の結婚話も隣家のあり得ない噂でつぶされた。隣家への憎悪は並大抵のものではなかった。それを江神は掴んだ。

 そして張り込みをしていた土曜日の夜、溝口は自家と隣家にガソリンをまき、放火をしようとした。

 恨みつらみの中身が十分に説明されていないので、納得感はもうひとつだが、江神の鮮やかな推理には思わずの納得。

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| 古本読書日記 | 05:49 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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